初スターフライヤー:復路

今回の九州旅行で初めて利用することになったスターフライヤー、往路では予約便がいきなり当日のフライトキャンセルを食らって泣きそうになりましたが、復路ではそれを遙かに越える事態に巻き込まれました。

中津で友人の披露宴に出席して、本場中津の唐揚げを堪能したあと、さて帰るかとJR九州の普通列車に乗って北九州空港に向けて移動を開始しました。この時点では特に何も思うところもなく、九州の車窓を楽しんで旅行の余韻に浸っていたんですよ。

JR九州日豊線:普通列車車内

JR九州日豊線:普通列車車内


空港最寄りの朽網なる駅で列車を降り、空港連絡バスに乗って北九州空港へ向かっている途中でまずいやな予感を感じさせる消防車を見かけました。とは言え、最初のこの時点では普通の街中の幹線道?で、消防車が一台走っているだけなので、たまたまどこかで火事の通報があってそれに出動しているんだと思い「日曜の夕方に大変だなぁ」と考えるにとどまっていました。

それから状況が怪しくなって行ったのが、バスが街中の幹線道から空港アクセス道路に入ってから。そこまで行っても消防車のサイレンが次々と聞こえ、しかもバスと同じ方向に追い越していきます。往路で同じ道路を逆に通っているので、なんとなく道路沿いに空港まで何があるのか覚えています。その先は基本的に大規模に造成された工場用地と、北九州空港があるだけで一本道です。追い越していく消防車やパトカーなどの緊急車両の台数を考えると、一般の民家のボヤ火災で出動する台数ではなく、もっと大きな規模の何かおこって出動しているとしか考えられないです。

記憶をたどると、その先にあるのはトヨタ九州の工場と北九州空港しかなく、あのトヨタの工場でそんな規模の何かが発生するのは考えにくく、空港で何かあった可能性が濃厚になってきました。実際、トヨタの工場付近に来ても、何かがおこった騒がしい雰囲気はなく真っ暗で、緊急車両の回転灯はさらにその先に向かって走って行っています。しかし、軍用空港ならいざ知らず、民間空港でそんなすごい何かが、それも滅多に利用しない私が利用するタイミングで起こったりしないだろうとこの時点では楽観視していました。

いよいよバスが工場用地を抜けて北九州空港への空港連絡橋にさしかかると、海の向こうに見える空港の方に、黄色や白色の照明灯の他に、移動する赤く明滅(点滅)する光がうじゃうじゃと見えてきて、空港で何かあったのが確定。(とは行っても、運行には影響ないところで火事があった!という状況に、まだ望みをかけていました)

空港連絡バス車内から北九州空港

空港連絡バス車内から北九州空港を望む

空港にバスが到着し、ターミナル内に入っていくと特に騒がしい事もなく、「なんだ、やはり影響ないんじゃない?」と思いながら、まずはチェックインして一息つこうとスターフライヤーのカウンター列に並びました。すると、ならんだ直後にターミナルの反対側のエリア側から人が続々とやってきて列の長さが急に伸び始めて、ターミナルの中央部まで到達し、結局今までの5倍くらいの長さに。

後ろの列の方からはいろいろな話が聞こえてきますが、「滑走路が閉鎖」「フライトがキャンセル」「小型機が炎上」「今からでは新幹線に回っても東京まで行かない」「博多空港からなら帰れる」「博多空港からの羽田便は全便すでに満席」などと不穏なそして絶望的な話しか聞こえません。どうやら、18時過ぎに羽田に発つ便の乗る予定だった人たちがフライトキャンセルになり、その後の処理のためにセキュリティエリアから出てきたようです。

聞こえてくる話に耳を傾けながら、目を列の前方に向けて早く順番がくるのを待っていますが、列がなかなか動きません。カウンターの方を見ると、後ろから聞こえてくる話がどうやら本当らしく、振り替えの相談やら代替手段の相談やら窓口のお姉さんに詰め寄ってかかっていく人やらで、1人1人の処理にとんでもなく時間がかかっているようです。

しかし、この時点ではまだ私が利用する予定の最終便とその前に便については未だ欠航は決定されておらず、決まっているのはさらにその前の便である18時過ぎの便だけのようで、ようやくと私の番がきてカウンターにたどりついた時に窓口の方に聞くと、最終便がどうなるかはその時点では不明で、まだ飛ぶ可能性もあるしもちろん飛ばない可能性もある、と言う事でした。ま、望みがあるんあらということでとりあえずチェックインだけ済ませてカウンターを次の人に回して、離脱!

展望デッキから事故現場方面

展望デッキから小型機事故現場方面

が、チェックインを済ませて、状況が変わるまではのんびりしていようとターミナル内のベンチで一息ついていると、「今日の残りの2便についても欠航が確定しました」という先程のカウンターで聞いた望みを打ち砕くアナウンスが入り、当日中に東京に帰ることが不可能な状況に、orz。こうなるともう吹っ切れたので一旦空港の展望デッキに行って、原因になった小型機の事故現場を眺めてやろうと思い、欠航手続きの列に並ぶのは後回しにして、ターミナルの展望デッキへ。しかし、空港は広い訳で小型機の事故現場は遥か遠くで緊急車両の赤い光や、照明の白い光が遠くに見えるだけでした。

フライトキャンセル処理の行列

欠航手続きの列

現場を絶望感から一転して吹っ切れた感で眺めた後、明日以降の東京帰還の便の確保をするべく欠航手続きの列に最後尾に。しかし、このニュース流石に一般にはまだ広まっていないらしく、私が列についたあとも続々と列が延びていきました、そりゃ普通なら最終便の出発までまだ2時間以上あったし・・・。

私の前の列もそれなり長く、手続きの性格上1人1人に時間がかかるので、長く待つのかなぁと思っていたのですが、ちょっとするとスターフライヤーのコールセンターから携帯電話に連絡があり、欠航の連絡と予約をどうするのか(振り替え?/払い戻し?)の確認でした。結局その電話で現状の予約を翌朝5:30の便に予約を振り替えてもらって、月曜日の帰京手段を確保して、つぎは明日の朝までどこで時間をつぶすかを考える事に。

さて、翌朝までどう過ごすかなんですが、北九州空港は九州本土からだいぶ沖合に離れたところに埋め立てられて作られた人工島(のはず)なので、空港島からはなれて九州本土に戻り時間を過ごすのは、翌朝改めて戻ってくる事を考えるとあまり考えたくないです。ということで、空港島内にただ一つだけある宿である東横インに部屋を確保することにしました。スマホで東横インの電話番号を調べて電話してみると、今回の一連の欠航騒動で混雑しているものの、喫煙のシングルなら部屋が空いているということでした。禁煙でも喫煙でもこの際は問題ないので「それでシングル一部屋!」と確保をお願いして、宿から空港ターミナル前に迎えに来てくれる自動車を待ちました。ターミナルの外で宿の迎えを待っているとき地元テレビ局のカメラのインタビューを受けたのは秘密です。というか、グダグダな受け答えだったのでおそらくは放送に使われることなく捨てられたに違いないですけど。

東横イン北九州空港のカレー

東横イン北九州空港のカレー

送迎車に乗って東横イン北九州空港に着いてチェックインを済ませると、いろいろあって夕食がまだだったことに気が付きました。が、この東横インがある場所は空港島にある唯一の空港外施設なわけで、宿のそばにコンビニなどなく(空港ターミナルまで戻ればあるけど)、食べ物を調達することが面倒・・・。ちょびっとだけ絶望していると、そういえばチェックインのときに「午後九時までは無料のカレーライスをサービスしていますよ」と言っていたのを思い出し、見ていた大河の黒田官兵衛を断腸の思いであきらめて1階のロビーへ。1階に降りていくとロビーの片隅の小さなキッチンの前に炊飯器とカレーの鍋が置かれていて、みなTVをみたりしながらカレーを食べていました。セルフサービスのキッチンからカレーを用意して食べてみると、無料提供されているカレーの割に(いい意味で)きわめて普通のカレーでした。「おひとり様一皿」とあったので一皿しか楽しめなかったのが残念でした・・・。

カレーを堪能したあとは、早々に荷物の整理をして翌朝に備えるべく寝ました。(若干嘘混じってます・・・、すぐには寝ないで日が変わるくらいまではビール飲んで起きてました。)

ようやく東京に帰れる!

5:30発東京(羽田)行き搭乗口

明けて11月17日、目覚ましで4:20に起きると、ささっと着替えて東横インをチェックアウト。そのまま、東横インの送迎車で空港ターミナルへ、空港ターミナル内は早朝とはいえ昨日の欠航の影響があるのか結構人が多く、続々とチェックインカウンターに並んでいってました。昨晩の欠航便を予約していたこと、そしてその振替便の予約番号を伝えると、今朝は問題も発生していないらしく、さくっと搭乗券が発行されました。早朝のためターミナル内のショップも開いていないので、チェックイン後はすぐに保安検査場でセキュリティチェックを行い、搭乗待合室へ。搭乗待合室内の売店は開いていたのでそこでおにぎりとお茶を買って簡単な朝食です。(が、空港内の売店は何でああコスパが悪いんでしょうか・・・)

羽田空港から朝日

羽田の朝日

その後は、ごく普通に搭乗を開始し、ごく普通に離陸し、ごく普通にフライトし、ごく普通に着陸。帰りはあまり飛行機が揺れなくて少し残念・・・。

羽田到着後、到着ロビーから出発ロビーに移動して民間駐車場に電話連絡。昨晩中に予定変更は連絡しているので、一晩(12時間)遅れているのは問題ないものの、1日延長した分の料金がいくらになるのかはわからないのでドキドキです。民間駐車場からの迎えを待つ間、ふと周りを見渡すと雲の間からさす陽光の雰囲気が何ともなくいい感じです。

数分すると民間駐車場からの送迎車が到着。名前を名乗ると「お待たせしました」と車の中に乗車させてもらい、駐車場へ移動開始。道中は、前日の北九州空港の閉鎖の話が出たものの、基本的には静かな車内でした。駐車場到着後、事務所で延長分の清算をしたのち愛車に荷物を載せ自宅へ向けて出発!

羽田から自宅まで若干の混雑はあったものの、想定通りの所要時間で帰宅できました。
帰宅後、ちょっと一息ついたのち、いざ出勤!!!

もう、北九州空港はこりごりです

 

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